2008/03/14 (Fri) 04:46:52 無題

Ｒｅ：ＣＯＭよりちょっと前くらいの話？

それはちょうどボスから忘却の城での
心や記憶についての調査、および
ナミネの見張り兼監視の任務を命じられ、
自室へと戻る途中の廊下での事だ。


なんとも面倒な任務を貰ったもんだ。
どう考えてもこれは長期に渡る任務になるだろう。

というかで俺なんかに頼むかねぇ。
ナンバーから選抜されたのだとしたら
あの眼帯のオッサンに、ドレッドのオッサン…
それに副官であるあの口煩い小姑もいるだろうに。
何で俺？
No,8とか超中途半端じゃんか。

ああ、溜息がつきねぇ…

第一、俺が任務で長期に留守するとなると、
アイツが心配でならない。
最近機関に入ってきた生意気な新入りで、
俺がお守りしなくちゃなんねぇあの―――――


「―――アクセル。」


…噂をすれば影、ってか？
正面から見慣れた薄茶色の頭が見えた。

「よぉ、ロクサス。」

俺が片手を挙げて挨拶しても、
コイツは視線を寄越しただけで挨拶すらしねぇ。
…オイ、これゼクシオンが見たら絶対ェ
『挨拶とはなんたるか』
小一時間くらい熱弁される事になるぞ。
いや、別に俺は挨拶とかどーでもいーんだが。

「…任務、聞いた。」

何の、とは聞かない。
だって俺が持ってる任務って云えばアレしかないワケで。
にしても話回るの早いな。
俺さっき聞いたばっかだぜ？

「あー、まぁ面倒ったらありゃしねぇよ。
　何で俺なんかに白羽の矢が立ったのやら…」

「そんなのどうでもいい。」

オイ、俺の愚痴は『そんなの』かよ！；

「…長くなるのか？」

「・・・・・・・・・・・・・・あぁ。多分な。」

多分じゃなく、十中八九、だろう。

特に花弁先生とタカビー女が一緒とか、
絶対そう簡単に終わらないだろう。
あの協調性皆無なあの二人と、なんてな。

ああ、先を思うと頭が痛い…
誰か代わってくれ。
今ならきっと見返りに何でもやってやる。

とか考えていると、ロクサスは俯き
俺のコートを掴んできた。

…可愛いな、オイ。

「……浮気、したら足腰立てなくしてやるから。」

前言撤回。
可愛さもカケラもねぇ！！
むしろ怖ェってハナシだ！！

「へーへー、浮気とかしねーよ；；
　つか誰としろってんだよ…；」

マールーシャか？
いや、アイツナルシーだし、自分ラブだろ。

「アクセル。」

「あ？…っぅおあ！！」

クソ、油断した。
ロクサスはその見かけからは想像もつかない
馬鹿力で俺のコートの装飾品を引っ張り、
強制的にロクサスと同じ目線まで屈まされた。

ったく、装飾品が取れたらどうするつもりだ！？←


「アクセル、…何が何でも戻って来て。」


・・・・・・・・・・・は？


「誰が犠牲になったって、誰を犠牲にしたって、
　全部を利用して、全部を欺いて、全部を陥れて、
　アクセルだけは…俺の所に戻ってきて。」


「ロクサス、お前…」

「わかった、って云いうまで放さないから。」


そう云って、俺を強く抱きしめるロクサス。
本当、その馬鹿力はどこからくるんだ？
でも俺はわかっている。

俺を力強く抱きしめるその腕が、
僅かに震えている事を。

「ロクサス…」

あぁ、きっとコイツは無意識に察してる。
あの任務が表向きで、本当の任務が結構危ない橋を
渡る事を。

だから、コイツは…

「…わーったよ。必ずお前ん所に戻る。
　これでいいんだろ？」

真剣な顔でロクサスを見下ろせば、
アイツはまるで心があるみたいに
安堵の微笑を浮かべた。

「ああ。」


―――絶対、帰ってこいよ…





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なぁ、ロクサス。

反逆者だったラクシーヌとマールーシャは、
お前の半身のおかげで消滅したぜ。

レクセウスはその親友とかいうリク、ってガキに
消された。

ヴィクセンとゼクシオンは、
俺が消しといた。

生かしといたら後々面倒な事になりそうだったからな。

もう、忘却の城には俺しか残ってねぇよ。


さて、ソラも寝て、リクも出てって、
そろそろ俺も帰るとすっかね。

ああ、ボスにする言い訳、ちゃんと考えなきゃだな。

上手く誤魔化せりゃいいけど…


今、お前の所に帰るぜ


ロクサス。




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そして裏切られる…（不吉